自己啓発

安定と不安定、どちらも必要かもという話

安定と不安定、どちらも必要かもという話

ああ仕事キツイし、お金も足りないし・・・。

波風立たない楽な暮らしがしたいなあ。

安定感っていいよね・・・。

こんにちは、ノムシカです。

今回は「安定」と「不安定」についてのお話ししたいと思います。

どちらが好きかと聞かれれば

大半の方は「安定」を選ぶのではないかと思います。

自分も「安定」を選びますね。

では「不安定」はいらない要素なのでしょうか?

あなたはどう思いますか?

この記事は医療関係の国家資格を持ち、10年以上病院で治療を行っている自分が書いています。

主にリハビリ医療の分野で使う「運動学」の考え方なども用いて

ちょっと角度を変えた見方を提案できたら幸いです。

結論:安定だけでは発展(動き)が無い、時には「不安定」も必要

「安定性」と「動きやすさ」は相反します。

「安定」すれば動きにくくなるし

逆に「不安定」な状態は様々な動きが発生しやすい状態と言えるんです。

これは実生活にも当てはまることで

「経済的に安定している」とか「伝統のある大企業にずっと勤めている」であれば

生活は安定しますが、自分の裁量権のようなものは少なく、大きな変化は発生しにくくなるでしょう。

「経済的に不安定である」とか「ベンチャー企業で働き始めたばかり」とかであれば

生活は不安定かもしれませんが、自己決定の要素が強くなり、人生に大きな変化が訪れることもあるかもしれません。

「安定」と「不安定」のバランスについて、それぞれの人生観をしっかり考えてみる必要があります。

運動学的に「安定」とは、そして「不安定」とはどういった状態なのか

姿勢と運動の関係などの話を絡めつつ説明してみたいと思います。

実験してみましょう

背もたれのある椅子がある方は試していただきたいのですが

①後ろの背もたれに寄りかかるようにグダーっと座る


②背もたれに寄りかからず、背筋を伸ばしてまっすぐ座る

さて、ここから一気に素早く立ち上がろうとしたら

早く立ち上がれる、あるいは立ち上がりやすく感じるのは①と②のどちらでしょうか?

・・・正解は②の「背もたれに寄りかからず、背筋を伸ばしてまっすぐ座る」姿勢です。

①は腹筋や背筋が頑張らず、お尻から上側の重さを背もたれと座面に支えてもらっている状態です

寄りかかっている分、楽で安定しています。

ですが楽に座る要素が強いために、立ち上がる際に必要な前方へと上半身を持っていく動作にロスが出ます。

②は背もたれをあまり使わずに座面で重さを支えている状態です。

こちらは支えている面が狭い分、やや楽ではなく不安定となっていますが

素早く前方に身体の重さを移す動作ができるため、立ち上がろうとする動きがすぐできます。

「安定した状態」を取ると楽だが動きにくい

「不安定な状態」を取ると楽ではないが動き始めがスムーズ

という事が体感できるかと思います。

安定性の極み、「人をダメにするクッション」

「人をダメにするクッション」を知っていますか?

細かいビーズが詰まったクッションですが

乗ってみると体がズブズブと沈み込んでいきます。

「もう動きたくない・・・」

そう感じさせてくれるクッションです。

固さも無く、身体中を広く支えてくれるため

「安定性」がかなり高いクッションと言えます。

ではこのクッション

いざ起き上がろうとするとどうでしょうか?寝返りしようとするとどうですか?

非常にやりづらいんです。

「安定性」にステータス全振り状態で、「動きやすさ」はほぼゼロという商品なんですね。

「動きたくない」というより「動けない」構造をしているんです。

商品を否定するつもりは全くありませんが(持ってます)

キャッチコピーの「ダメにする」は間違っちゃいないなと思ってます。

寝たきりの高齢者のベッドの話

病院や施設には

自分の力で寝返りができない方がたくさんいます。

寝返りができないという事は

誰かの助けが無ければ、一日中同じ姿勢で寝続けなければならないという事なんです。

そうなると必ず起きるのが「床ずれ」、命にかかわる大変な問題です。

自分で寝返りができなくなった方のベッドを見た事がありますか?

床ずれを防ぐためにはとにかく体に外力がかからないようにする必要があります。

空気やジェルが入ったフカフカの柔らかいマットレスを使い、とにかく身体にかかる圧力を分散させるんですね。

自力で動けない事が確定しているので動くために必要な「不安定性」は完全に排除

「安定性」のみを追求したマットレスが使われます。

もう自力で動く能力を再獲得する事はほぼ不可能な状態というわけです。

「不安定性」があるから前へ歩いて行ける

もう一つ例を挙げます。

歩くという動作も細かく分けていくと

前に出した足に体重が乗る
前方に重心が移る(不安定な状態)
後ろにある反対側の足が前に振り出される

これの繰り返しです。

不安定な状態を作る事で後ろ脚を前に出すことができます。

安定した状態を保ったまま歩こうと思ったら歩けません。

「安定性」と「不安定性」のサイクルが歩くためには必要なんです。

どんな生き方をしたいのか

どうしても「安定」を求めたくなる気持ちはわかりますが

「不安定性」を完全に捨てて生きる事はほぼ不可能でしょう。

むしろ「不安定性」は物事を動かしやすくしてくれるポジティブなものとして考えたほうがいいのではないでしょうか。

「安定」のみ、あるいは「不安定」のみといった偏った生き方はバランスが悪く大変だと思います。

変えたい事、変えたくない事をしっかり突き詰めて

「安定」と「不安定」のサイクルをしっかり回していく事が大事なのではと思っています。

いかがでしたか?

10年以上学び続けた事と生き方などを関連付けられないかと試みてみましたが

感覚人間なもので言葉にうまくできなかったかと思います。

何かお役にたてばいいのですが。

それでは

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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