サウナで整うコツは?セラピストが仕組みとやり方を教えます!
今回はサウナで整うコツについてのお話しです。
最近女子にも流行の気配がみられるサウナ。
ビジネス系の方々の自己管理の方法としても多く用いられています。
サウナを愛好する「サウナー」と呼ばれる人たちも増えているとの事です。
特にサウナの醍醐味として皆が語るのは「整う」という感覚。
皆さんは体験した事がありますか?
自分も最近サウナにハマり、最低でも週5回は通っています。
いわゆる「整う」感じも習得できるようになり、毎日ストレスだらけの本業にも良い影響が出てきていると感じています。
今回は「整うって聞いた事あるけど、よくわからないよ!」という方や
「整う感じは何となくわかるけど、あれって何が起こっているんだろう?身体にどんな変化が出ているのかな?」
「どうやったら整う感覚が体験できるんだろう、コツとかあるのかな?」
こういった疑問について解説したいと思います。
筆者について
筆者は大学で生物学や物理学を専攻してきました。
その後医療従事者の国家資格を取り、10年以上臨床に関わっています。
今回は自分が本や論文で学んだ事をまとめ、生理学や生化学的な視点からシンプルに分かりやすく解説してみたいと思います。
この記事を読むことで「整う」とは何かを理解してもらったり
「整う」未体験、あるいはサウナに行ったことが無いなんて方も興味を持っていただければ嬉しいです。
「整う」とは
いきなり結論ですが
「整う」とは、「サウナに入った後に感じる心も身体も調子よく感じられる状態」であり
「高熱や冷水といった刺激からの休息により、ホルモンと自律神経の状態が通常時にはありえないモードに入っている状態」です。
どんな感じ?
「整う」についての表現は千差万別ですが
まとめると「身体はフワフワ、頭がスッキリ」「リラックスしているのに意識はハッキリ」
こういった不思議な状態であることが多いようです。
「整う」ことで生じる良い変化
- ストレスが無くなる
- 脳疲労が取れる
- 思考がまとまり、ビジネスなどに活かせる
こういった変化、ビジネスマンにはありがたいですよね。
いわゆる「瞑想」などにも似たような効果を感じている人は多いです。
ただし瞑想と違って、練習が必要ではなく
比較的早い段階で効果が感じられるかと思います。
自律神経について
サウナでの「整う」を説明するためには自律神経について知っておく必要があります。
自律神経という言葉、良く耳にするかと思いますが「じゃあ自律神経って何なの?」と聞かれると、答えにくいですよね。
できるだけシンプルに説明したいと思います。
自律神経→交感神経&副交感神経
「自律神経」は循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経であり
「交感神経」と「副交感神経」からなります。
この二つの神経はザックリ言うとシーソーのような関係を取っており(本当はちょっと違うのですが今回は省きます)
「交感神経」が優位になる場合と「副交感神経」が優位になる場合で身体の反応は変化していきます。
「交感神経」は戦いの神経
原始時代を想像してみてください。
私たちの祖先は食料を得るためにマンモスを狩っています。
狩猟はとても危険です。下手をしたら大怪我、場合によっては死ぬかもしれない状況。
命がけで戦わなければならない、あるいは命を守るために逃げなければならない時もあります。
交感神経は戦わなければならない、あるいは逃げなければならない状況で働くシステムなんです。
呼吸は早くなり、心臓はドキドキ、怪我をしても出血しにくいように抹消の血管は収縮し目も充血
とにかく生きのびるためのバトルモードです。
加えて脳内にホルモンが出されます。
アドレナリンやノルアドレナリンという言葉を聞いた事がありますか?
これらは交感神経が活発になると体内で分泌され
疲れや痛みを感じにくくしたり、集中力を高めたりする機能があります。
原始の時代から得られたこれらのシステムを使うことで私たちは今まで生き延びてきたわけです。
交感神経は「命が危ない!」と感じた時に活発化するという事ですが
これ、「サウナの熱気」と「水風呂の冷たさ」でも発動するんです。
あの熱さと冷たさは身体にとっては緊急事態に感じられるんですね。
ココがポイント
サウナの熱さ、水風呂の冷たさは「交感神経」を優位にし、脳と身体をバトルモードにさせる。
ここでアドレナリンやノルアドレナリンがドッと分泌されるのが「整う」に大きく影響します。
また分泌されたアドレナリンやノルアドレナリンは、交感神経が落ち着くと分泌されなくなります。
言い換えれば後述する「副交感神経」が働き始めるとアドレナリンやノルアドレナリンは体の中で数分で分解されてしまうんですね。
ここにも「整う」のポイントがあるので後で説明します。
「副交感神経」は休養の神経
また原始時代に戻ります。
ようやくの思いでマンモスを倒しました。
なんとか当面の食料は確保できました。
女性陣が木の実を取って来てくれたので少しの間は休めそうです。
もう疲れて全身ボロボロです。
次の狩りはいつだろうか・・・。
しっかり食事をとって休んで、次の危機的な状況に備えなければなりません。
ですがいつまでもバトルモードでギラギラしていたのでは身体が落ち着きません。
そんな時、身体を回復させるために働くのが「副交感神経」なんです。
「副交感神経」が優位になると血圧は下がり、身体はリラックスモードへ入っていきます。
さてこの「副交感神経」が優位になる状態ですが
サウナの熱さと水風呂の冷たさで身体がビックリしたあとの「外気浴」
実はここで副交感神経が発動するんです。
「あー落ち着くなあ・・・。」と思わず声が出る瞬間ですね。
そしてこの瞬間こそが「整う」瞬間だったりします。
ココがポイント
外気を浴びて休憩するとリラックスモードとなり「副交感神経」が優位になる。
アドレナリンやノルアドレナリン+「副交感神経」→「整う」
そうなんです。
実はこれは
「サウナと水風呂(交感神経優位)で出されたアドレナリン等は徐々に体内で分解されて消えてしまうが、若干の猶予時間(約2分と言われています)がある」
「アドレナリンが消えてしまう前に素早く外気浴でリラックスモード(副交感神経優位)にすると・・・」
バトルモードとリラックスモード、本来矛盾している状態同士の夢のコラボレーションが発生します。
いわゆる「整う」はこの状態を意味しているんですね。
という事は
効率よく「整う」ためには
「サウナと水風呂で出したアドレナリンが消えないうちにすぐ外気浴をするべし!」ということになりますね。
ここが一番重要なポイントというわけです。
ココがポイント
サウナと水風呂で出したアドレナリンは2分程度しか残っていない!
熱気と冷水で分泌させたアドレナリンが分解されてしまう前に素早く外気浴を行えば、「整い」ゾーンに突入できる!
「整う」ための基本的な流れ
「サウナ→水風呂→外気浴」
この流れが鉄板です。
温度設定や本人の体調にもよりますが
「サウナ5~10分」→「水風呂1分」→「外気浴5~10分」
これくらいから始めてみるのが良いかと思います。
この流れを1セットとして3セット程度行うことが基本となります。
そして大事なのが水風呂→外気浴の流れ
ここでのタイムロスは厳禁です。
水風呂から上がったらすぐに座ったり寝て休む場所を確保しましょう!
これで「整う」成功率がアップ、より気持ちのいいサウナ体験ができるかと思います。
まとめ
いわゆる「整う」状態には自律神経とホルモンが関係しています。
サウナ(交感神経優位)→水風呂(交感神経優位)→外気浴(副交感神経優位)→「整う」
身体の反応には個人差がありますが
ポイントを押さえて各自「整う」入り方を習得していきましょう。
今回はここまでになります。
すっかりサウナにハマり、サウナ関連の本も5~6冊買ってしまいました。
サウナについての本はたくさん出ていますので、興味のある方はぜひ読んでみては?
エビデンスに基づいた専門的な本やビジネス書っぽい本、またまたグルメ漫画の要素がある本も
ますますサウナにハマりそうです。
それでは
最後までお読みいただきましてありがとうございました。